台湾の性産業界 激震の法改正 産経新聞 2011/11/05 16:13
各自治体は敬遠
ところが、この改正法は現実には、ただちに機能しないという。なぜか。
実は、台北、台中、台南市、台東、花蓮、澎湖など主要12県市では、実態として存続する非公式の赤線地帯の公認につながる性専区の指定、設置に反対しているのが実情だ。
その他の10県市も、改正法は受け入れつつも「これから協議する」と腰は重い。
台湾の有力夕刊紙、聯合晩報(4日付)などによると、現在、台中や台南市、桃園、宜蘭、澎湖県に11戸の合法置屋があり、49人の公娼が残っているが、これは各自治体の条例によって認められているため、除外される。
しかし、その他については、改正法施行の6日以降は、実態として存続してきた赤線地帯であっても、売春側と客の双方が処罰対象となる公算だ。
自治体が設置に二の足を踏むのは、地価の下落が生じるなどの被害を懸念する周辺住民らの反対などがおさえられないというのが大方の理由だ。
有力紙、蘋果日報(10月17日付)によると、北部の代表的な港湾都市、基隆の性産業地域では付近の住宅で一坪200万台湾元(約500万円)であっても隣接の当該地域では28万元(70万円)という。
加えて、特定のエリア行政によってはっきりと線引きされた場合、暴力団が利権をめぐって抗争を展開する可能性も指摘されている。
もちろん、指定されずに法が施行された場合でも、警政署(警察庁に相当)では「3カ月は指導期間」とし、ただちに摘発されることはないが、自治体が区域の設置に手間取れば、逆に「地元警察の収賄の温床になるのでは」との懸念も浮上している。
激論を残したまま誕生し改正法だが、受け皿(性専区)のないままの施行に売春婦たちは「与党も野党も偽善者。どのみち私たちは罰される」とむくれている。当面は、曖昧模糊とした中で運用され、性産業者と、客と、行政・警察、当該エリア付近住民との間でさまざまな駆け引きが生まれそうだ。